はじめまして、napi(ナピ)です。
作業療法士として訪問看護ステーションに10年以上勤務し、これまで数百件もの住宅を訪問してきました。プライベートでは妻と二人の娘と暮らし、2017年に駅近の新築マンションを購入。ローンは35年のフルローンです。
最初から「新築マンションを買ぞ!」と意気込んでいた人間ではありません。むしろ、賃貸や中古マンションで十分だと思っていました。
でも今は、家を買ったことを人生でいちばん良い買い物だったと心から思っています。
この記事では、なぜ考えが変わったのか、中古マンションが「意外と高い」と感じた理由、新築を選んでからのリアル——正直に書きます。同じように悩んでいる方の参考になればうれしいです。
住宅費は、人生で最も大きなコスト
まず、大前提から。
住宅費は、人生で最も大きなコストです。
食費、教育費、車、旅行——全部足しても、長い目で見れば住宅にかかるお金は桁違いになります。家賃やローンだけでなく、維持費・修繕費・税金まで含めると、生涯で数千万円規模になることも珍しくありません。
だからこそ、そのコストをどう管理するかで、人生の幸福度は大きく変わります。
訪問看護の仕事で数百件の住宅を訪れてきたからこそ、強く感じることです。住まいは、単なる「箱」ではなく、その人の健康・生活・家族のあり方に深く関わっています。快適な家に住む家族と、住環境に無理がある家族——その差は、現場で何度も目にしてきました。
住宅の話は、お金の話であると同時に、人生の話です。
住宅購入は、理屈抜きで「夢のある買い物」
住宅購入について、ひとつだけはっきり言いたいことがあります。
理屈だけでは語れない買い物です。
スプレッドシートで比較して終わり、というものではない。もっと深い意味を持っています。
- 家族を形作る場所になる
- 奥さんや子どもに喜んでもらえる場所になる
- 家族の思い出が染みつく場所になる
- いつか子どもたちが帰ってくる場所になる(精神的な意味で)
「我が家」という言葉には、住所や建物の情報だけじゃない、アイデンティティやスピリチュアルな意味合いが含まれています。
だから「家を買うかどうか」は、投資の話だけじゃない。自分たちはどんな家族になりたいかという話でもあります。
数字で全部決めようとすると、後から「なんか違うな」と感じることもある。理屈と感情、両方を持って考えることが大事です——これは、実際に買ってから改めて実感したことです。
最初は「賃貸や中古マンションでいいや」と思っていた
さて、本題の体験談です。
私がマイホームを考え始めたとき、頭の中にあったのはこういうイメージでした。
「マイホーム=新築一戸建て」みたいな派手なものは不要。賃貸や中古マンションで十分じゃないか。
合理的に考えれば、中古や賃貸で十分暮らせる。新築にこだわる必要はない——そう思っていたんです。
作業療法士として家の中をたくさん見てきたからこそ、「住まいの質」は大事だと分かっていました。でも、それは「新築一戸建てでなくていい」という意味で受け取っていました。
中古マンションを見て、足が止まった
実際に中古マンションを見に行ったとき、ひとつ意外だったことがあります。
思ったより高い。
築年数が経っているのに、立地や広さ次第ではそこそこな金額になる。内覧してみると、設備の古さ、リフォームの必要性、管理状態のばらつき——そういうものも見えてきます。
そして、どうしてもこう思いました。
「このマンションのために、何千万円のローンを組むのか……」
立ち止まりました。
中古マンションは「安い」というイメージを持っていた人にとって、これはけっこう衝撃的な体験です。築20年・駅徒歩10分・70㎡——条件を書き出すと、新築とそこまで差がないこともあります。
ローンを組むなら、もう少し納得できるものを——そう思ったのは、自然な反応だと思います。
妻の笑顔を見て、考えが変わった
転機は、新築マンションのショールームに行ったときでした。
妻が、すごく嬉しそうな顔をしていた。
キッチンを見て、浴室を見て、子ども部屋のことを話して——その表情が、私の中で大きく響きました。
その瞬間、こう思いました。
「やはり、せっかくローンを組むなら新築だな。」
数字だけで決めようとしていた私の頭の中に、感情が割り込んできた瞬間でした。
住宅購入が「理屈抜きの買い物」だと、改めて実感した出来事です。家族の笑顔は、スプレッドシートには載らない。でも、幸福度には直結する——そう感じました。
住まいを選ぶ3つの視点
ここで一度、住まい選びの「視点」を整理しておきます。私の体験を振り返ると、結局は満足度優先の選択でした。
① 満足度優先|「暮らしの質」を最重視する
おすすめ:自宅購入、または条件をすべて満たした賃貸
「毎日の暮らしを、心から良くしたい」という方には、この視点が向いています。私が最終的に選んだのは、まさにこちらです。
② 節約優先|「とにかくコストを抑える」
おすすめ:実家に住む
住宅費を最小限にしたいなら、現実的には実家暮らしが最も節約になります。ただし、プライベートの確保や家族関係のバランスは別問題です。
③ 投資・資産運用目線|「住みながら資産を増やす」
おすすめ:好立地のマンション購入
「住む場所」と「資産形成」を両立したい場合の視点です。すべての家が資産になるわけではないことは、後述のデメリットとあわせて理解しておきましょう。
| 視点 | 重視すること | 向いている選択 |
|---|---|---|
| 満足度 | 暮らしの質・家族の幸せ | 自宅購入 or 条件完璧な賃貸 |
| 節約 | コスト最小化 | 実家住み |
| 投資 | 資産形成・将来の売却 | 好立地マンション購入 |
一戸建てではなく、マンションにした理由
新築を選ぶと決めたあと、一戸建てかマンションかも本気で検討しました。
結論から言うと、私が住宅購入をした2017年時点では住みたい地域では一戸建ての方が住宅価格が高く、マンションの方が割安でした。
同じエリアで比べると、一戸建ては土地代込みでどうしても価格が上がります。駅近・新築・家族が快適に暮らせる——この条件を満たすなら、マンションの方が現実的でした。
さらに、駅近の新築マンションという条件を満たすことで、立地の良い物件を選べました。資産性もマンションの方が高いこともあり、価格は決して安くはない買い物でしたが、「この立地にこの設備で」という意味では、納得できる選択だったと思っています。
住んでみてわかった「新築の価値」
実際に住んでみて、新築にしてよかったと感じることがたくさんあります。
毎日の暮らしを変える設備
- 床暖房——冬の朝の快適さは、一度味わうと戻れない
- ディスポーザー——地味だけど、毎日の家事が楽になる
- 宅配ボックス——共働き家庭には本当に助かる
こういう設備は、中古や賃貸では「あればいいな」程度だったものが、新築なら最初から揃っている。
見学のときは「便利だな」程度の感覚でした。でも住んでからじわじわ効いてくるんです。床暖房の朝の快適さ、ディスポーザーの地味な便利さ、宅配ボックスの安心感——体感して初めてわかる価値がありました。
新築を選ぶメリット(家族構成別)
家を買うメリットは、家族の形によって違います。
一人暮らしの場合
正直、身軽な賃貸の方が向いているケースが多いです。大きな家は不要で、転勤やライフスタイルの変化に柔軟に対応できます。
核家族(夫婦+子ども)の場合
私たちがまさにこのタイプです。
| メリット | わかりやすく言うと |
|---|---|
| 目利き次第で資産になる | 立地・物件を選べば、将来の資産に |
| 新しく快適な環境 | 子育て・家族時間が充実する |
| 所有満足度=幸福度UP | 「我が家」がある安心感 |
| 見栄を張れる(笑) | 社会的な安心感も、ささやかな幸福の一部 |
訪問看護の現場で数百件の住宅を見てきた経験から言うと、家族が安心して過ごせる住環境は、健康やQOLに直結しています。
3世代以上の大家族の場合
大きな家に大人数で住むことで、生活コストを大きく抑げられます。家賃・ローンを人数で割れるメリットは大きいです。
ローンはきつい。でも、家族の喜びに見合う
もちろん、ローンはきついです。35年フルローンですから。
毎月の返済額は、家計にとって大きな存在です。金利の動向によっては、将来的に負担が変わる可能性もあります(変動金利の場合)。
でも今のところ、家族の喜びに見合う買い物だったと感じています。
もちろん、すべてが満足というわけではありません。
他のところで節約している部分もあります。旅行を我慢したり、車を控えめにしたり——家のために、別の出費を削っている部分はあります。トータルでバランスを取っている、という感覚です。
それでも、お金の使い道としては、人生で最も贅沢な買い物ができたなと思っています。
「贅沢」というと悪い意味に聞こえるかもしれませんが、私にとっては家族への投資という意味での贅沢です。
家を買うデメリット|知っておくべき4つ
体験談だけ書くと「買えば全部よし!」と聞こえるかもしれません。でも、買う前に知っておきたいデメリットもあります。私も、これらを理解したうえで選びました。
① ローン=負債になる
住宅ローンは、長く払う大きな負債です。35年ローンなら、利息も含めて元本の1.5〜2倍近くになることもあります。収入が減ったときの返済リスク、金利上昇の影響(変動金利の場合)——「資産」と「負債」はセットで考える必要があります。
② 身動きが取りにくくなる
転勤・引っ越しが難しくなります。売却に時間とコストがかかり、「この街でずっと住む」前提が強くなります。ライフプランが大きく変わる可能性があるなら、柔軟性の低さはデメリットになります。
③ 修繕リスクが付きまとう
賃貸なら大家さん・管理会社の仕事だったことが、全部自分の責任になります。水回りの故障、外壁・屋根の修繕、マンションなら修繕積立金の増額——「買ったら終わり」ではなく、ずっと付きまとうコストです。
④ 税金が増える
固定資産税(毎年かかる)、売却時の譲渡所得税(利益が出た場合)、登記・各種手続きの費用——購入時の諸費用だけでなく、持っているあいだのコストもセットで考えましょう。
| デメリット | 対策のヒント |
|---|---|
| ローン負担 | 無理のない借入額・金利上昇を見込んだ試算 |
| 身動きの制限 | 転勤リスク・将来のライフプランを先に整理 |
| 修繕リスク | 築年数・修繕履歴を確認、積立を意識 |
| 税金 | 固定資産税を毎年の家計に組み込む |
「知らなかったから後悔した」より、「知っていたから納得して選んだ」——こちらの方が、長い目で見て幸福度は高いです。
体験談から読み取れる5つのこと
私の体験を、初めての方向けに整理するとこうなります。
| ポイント | napiの体験 |
|---|---|
| 最初の考えは変わっていい | 賃貸・中古で十分 → 新築に変更。柔軟に考え直した結果が今の満足 |
| 中古は「安い」わけではない | 思ったより高く、ローンを組む価値に迷った |
| 感情も判断材料になる | 妻の笑顔が、新築という選択の決め手に |
| 住んでからわかる価値がある | 床暖房・ディスポーザーなど、設備の差は体感して初めてわかる |
| 満足度と節約は両立できる | 家は贅沢、他は節約——トータルでバランスを取る |
よくある質問(FAQ)
Q. 中古マンションは本当に高いですか?
A. 立地・築年数・広さによって大きく異なります。ただし「中古=安い」というイメージだけで選ぶと、思ったより高く、納得感が得られないケースも多いです。新築と並べて比較することをおすすめします。
Q. 新築マンションと中古マンション、どっちがいい?
A. 正解は人それぞれです。コストを抑えたいなら中古、設備・快適性・納得感を重視するなら新築——私の場合は、中古の価格に納得できず、新築の方が「ローンを組む価値がある」と感じました。
Q. 35年ローンはきついですか?
A. きついです。でも、家族の喜びや毎日の暮らしの質とトータルで比べて、納得できるかどうかが大事です。他の支出を削ってバランスを取ることも現実的な選択です。
Q. 一戸建てとマンション、どちらがお得?
A. 地域によって全然違います。私の場合、2017年時点では住みたい地域で一戸建ての方が高く、マンションが割安でした。エリアと条件で必ず比較してください。
Q. 家族の意見はどう聞けばいい?
A. ショールームや内覧に一緒に行くのがいちばん効果的でした。妻の笑顔を見た瞬間、私の考えは大きく変わりました。数字だけで決めないことの大切さを実感しています。
まとめ|中古は意外と高い、でも新築は家族の笑顔で選んだ
長くなりましたが、最後に要点を整理します。
住宅費は人生最大のコスト。 その管理方法で、幸福度は大きく変わります。
私は最初、賃貸や中古マンションで十分だと思っていました。中古マンションは意外と高く、「この物件のためにローンを組むのか……」と立ち止まりました。
でも新築マンションのショールームで、妻の嬉しそうな顔を見て、「せっかくローンを組むなら新築だ」と考えが変わりました。
実際に住んでみて、床暖房・ディスポーザー・宅配ボックスなど、新築ならではの快適さを実感しています。一戸建ても検討しましたが、2017年時点では住みたい地域ではマンションが割安。駅近の新築マンションという条件で、納得できる物件を選べました。
ローンはきつい。でも家族の喜びに見合うと感じています。他のところで節約しながら、人生で最も贅沢な買い物——家族への投資——ができたと思っています。
あなたの正解は、あなたの家族の形・価値観・ライフプランによって違います。
「中古でいいや」「新築は高い」「賃貸のままがいい」——どれも立派な選択肢です。大事なのは、答えを急ぐより、自分は何を大事にしたいかを先に考えること。そして、見学や内覧で感じた「あの瞬間の気持ち」も、ちゃんと判断材料にしていいんです。
同じように悩んでいる方の背中を、少しでも押せたらうれしいです。
免責事項
本記事は著者の個人体験と一般的な情報提供を目的としています。住宅購入・ローンに関する具体的な判断は、ご自身の状況に合わせて金融機関や専門家にご相談ください。記事内の金額・条件は2017年時点の購入体験に基づくものであり、現在の市場状況とは異なる場合があります。
